徒然なるマナーに【その1】

2020年05月17日

【その1】トイレットペーパーは三つ折りに?

今日から徒然なるままに(手持ち無沙汰な時間に思いつくまま)今を生きる、私たちを取り囲むマナーについて書いてみたいと思います。

さて、今日のテーマ「お手洗いで個室を使った後、トイレットペーパーを三つ折りにしておく」は、果たしてマナーでしょうか?

社員研修で「マナーに感じ入った体験」について意見交換の際、参加者の一人がこう発言していました。「彼女が初めて遊びにきた。後でトイレを見てみたらトイレットペーパーが三つ折りになっていて、マナーが身についた人だなぁと、惚れ直した」

その研修の目的から外れるため発言を避けましたが、私は内心思いました。

「彼が彼女の行動に惚れ直したのはいいとして、使用後のトイレットペーパーを三つ折りにするのは一般的には”マナー”とは言えないだろうな」

マナーとは、「相手への思いやりの心を行動や形に表すこと」です

「次に使用する彼が使いやすいように」という思いやりの心を行動や形に表した、当ケースで彼のハートを一層強く掴んだわけですから、ここではマナーに叶っていたのでしょうが、

一般的に広くさまざまな人が使用するお手洗いにおいてのトイレットペーパーの三つ折りには、否定的な意見が圧倒的に多くあります。

「手を洗う前の手で三つ折りにされたトイレットペーパーは触りたくない」

「行列ができているのだから、それより早く出てほしかった」

感染症拡大防止の観点からは専門家が警鐘を鳴らしているほどです。

「トイレットペーパーの三つ折りは、菌やウィルス拡散の観点から非常に危険な行為」

「実験で、三つ折りによってペーパーだけでなく、ホルダーの周辺など広く菌やウィルスを付着させていることが分かっている。シンプルにペーパーをカットし、周辺にはできるだけ触らず手を洗うべき」

そもそもトイレットペーパーの三つ折りの起源は、銀座のクラブのようです。経営するママが折り紙の逆さ富士をヒントに、清掃後、お客様に気持ちよく使ってもらう工夫として始めたのがはじまりだそうです。

今や、日本を訪れた外国人からは「これぞ、日本式のおもてなし!」と感激されることも多いようで、おもてなしの方法としていつの間にか国外へも伝わり、世界のホテルやレストランの中には、「日本式」として清掃後の三つ折りが導入されているケースも多くあるようです。しかしながら、

トイレットペーパーの三つ折りは、ホテルやレストランで清掃員が消毒を済ませ、衛生的に行うものです。お手洗い使用後に行うマナーではないといえます。

新型コロナの収束を目指すこれからは特に

マナーには、衛生面での配慮は不可欠であると認識する必要があるでしょう。